お知らせ

2017.6.2
その他

日々お茶日和。

家族が団欒し、くつろぐ場所を「茶の間」と表現します。茶のあるところに人が集まり、会話が生まれ、ゆったりと時間が流れる様を想像させる言葉です。お茶の歴史は薬として始まり、文化として広がり、現代社会においてはリラックスやリフレッシュのツールとしても利用されています。お茶を飲む習慣・文化は単に水分を補給するという事に留まらず、健康に寄与し、日々の生活に愉しみを与えてくれるものです。

若い方は煎茶を飲む機会が少ないと感じられる方も多いと思いますが、統計でも若年層ほど緑茶消費量が少なく、高齢になる程増える傾向が読み取れます。では、緑茶を飲む機会のなかった若年層が年を重ねたとき、果たしてたくさん緑茶を飲むようになるかというと答えはNOです。緑茶を飲む習慣(=文化)は、やはり子供のうちに家庭で継承されていくものなのではないかと感じています。これはまさに食育の一環です。

5月初旬、出雲地方の茶畑は鮮やかな新芽に覆われます。摘み取ったばかりの茶葉は、その香りをそのままとじこめこめるよう出来るだけ低温でじっくりと仕上げます。煎茶にお湯を注いだ瞬間、生茶葉の香りが蘇るように作り上げます。最もお茶の香りが新鮮なこの新茶の季節は、お子様にお茶を飲む習慣を伝え始めるのにもよい季節です。我が家にも2歳、5歳の子供がいますが「煎茶は大人の飲み物」という先入観を裏切り、子供らしい感性で煎茶を受け入れてくれます。4代目である私自身、幼いころからお茶を飲み、その味を身近なものとして感じてきました。我が家の子供たちは1歳くらいからほうじ茶を飲み始め、香ばしく飲みやすい玄米茶を試し、3歳頃には少しずつ煎茶を飲み始めました。子供の成長に合わせて少しずつお茶の習慣を伝えていけたらと考えています。

子供が大人と一緒に笑顔で煎茶を飲むひと時は、どちらにとってもかけがえのない時間です。「お茶を飲む文化の継承」と言えば少し固くなりますが、難しく考える必要はありません。ただただ、お茶を囲む団欒の時間を楽しんで頂ければと思います。

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